桑の葉(お茶&青汁)効果で血糖値や糖尿病が!ってヒドイよね。

ケールの若返り効果にすっかり夢中になった我が家。

ケールとは?味・栄養・レシピ(青汁、サラダ、チップス)のご紹介!

料理はもちろん、青汁やグリーンスムージーにしてケールを利用している中、桑の葉という植物に興味を持ちました。

桑の葉って、青汁によく使われてますものね。

そもそも桑の葉とは

桑の葉の概要

昔から日本ではよくある風景だった桑畑。

養蚕業が盛んだった頃、絹をつくる蚕(カイコ)のエサとして桑の葉が利用されていたので、地方に行けばいたるところに桑の木がありました。

しかし、養蚕業の衰退によって遊休桑園が問題になっています。

桑園の多くは傾斜地にあるため有効利用するのがむずかしく、繭(まゆ)の生産量は1/1000に減少しているため、手付かずの桑園が増えています。

桑の葉は、昔から健康茶(茶葉)としても利用されており、最近では桑の葉石鹸が登場するなど、新たな利用価値もひろがっています。

桑の葉(お茶&青汁)の栄養成分とは

検索結果の情報

桑の葉の栄養成分を検索したところ、

桑の葉の栄養成分

カルシウムは牛乳の約24倍、鉄分は納豆の約15倍含まれています。

こうした情報を目にしましたが、情報源は不明です。

公的機関の情報

また、文部科学省が管理している栄養成分データも確認したのですが、

桑の葉の栄養成分は調査対象ではなく、公的な情報はありませんでした。桑の葉は有用な食材として認識されていないようです。

そればかりか、誠実でない栄養情報の見せ方をする販売会社が多すぎて閉口しました。

桑の葉青汁の情報公開がひどい

よくある桑の葉の栄養成分紹介がこれ。

  • 食物繊維は、レタスの〇倍!
  • 鉄分は、ほうれん草の〇倍!
  • βカロテンは、ニンジンの〇個分!

あのね、比べるなら乾燥していない「生桑葉」と「生野菜」を比べましょう。当然ですが生野菜重量の90%前後は水分。熱を加えて栄養価が減っているとはいえ、

  • 乾燥した粉末
  • 生野菜

を比べれば粉末が有利に決まってます。

比較するなら「桑の生葉」と「生野菜」を比べなければ意味がありません。それなのに、生葉ではなく乾燥粉末の栄養素を公開する会社しかないとは・・・

「げっ、桑の葉、栄養ないよ!」

という心の声が聞こえてくるような・・・

いや、気のせいだったらいいんですけどね。

桑の葉(お茶&青汁)の効果効能とは

桑の葉(お茶&青汁)のDNJ効果

桑の葉(お茶&青汁)の効果効能でよく見るのは、

DNJが血糖値を抑える

というものです。

DNJとは「デオキシノジリマイシン」の略称で、ドイツ・バイエル社が1970年代に糖尿病治療薬であるセイブル錠の開発につなげた成分

体内に入ると糖質を分解する酵素(α-グルコシターゼ)の働きをさまたげるため、糖質の吸収がおさえられた結果食後血糖値の上昇がゆるやかになるという医薬品成分です。

糖尿病治療薬について

DNJ(デオキシノジリマイシン)がきっかけで生まれた医薬品セイブル錠は、ジェネリック医薬品名(以下、一般名)「ミグリトール」としても処方されています。
糖質分解酵素の働きをさまたげる糖尿病改善薬には、
・セイブル(一般名:ミグリトール)
・グルコバイ(一般名:アルカボース)
・ベイスン(一般名:ボグリボース)
の3つがあり、セイブルはもっとも効果が強いとされています。逆にベイスンは穏やかに効くため、糖尿病予防にも処方できる医薬品なのだそう。

※あくまで個人で調べた限り。間違えてたらスミマセン。

桑の葉(お茶&青汁)に含まれるDNJ量

医薬品の開発につながった成分「DNJ(デオキシノジリマイシン)」。

そんなDNJが含まれる桑の葉商品にも、はたして医薬品とおなじような効果を期待してよいのか情報をあつめてみました。

参考にした商品は、山本漢方製薬の「桑の葉茶」と「桑の葉青汁」です。

それぞれ商品について確認すると、

  • 桑の葉茶:1杯あたりDNJ2㎎
  • 桑の葉青汁:1杯あたりDNJ2.2㎎

とDNJ含有量についての情報を確認できました。DNJ効果について研究された論文をみると、桑の葉に含まれるDNJ含有率は0.05~0.1%

山本漢方製薬のお茶と青汁に含まれるDNJは、研究データより多い気もしますが、ここでは無視して話をすすめます。

桑の葉(お茶&青汁)DNJ効果の検証

もし桑の葉に含まれるDNJが、医薬品セイブル(一般名:ミグリトール)とおなじ効果があったと仮定すると。

セイブル(一般名:ミグリトール)の用法・用量

通常、成人には1回50mgを1日3回毎食直前に経口投与する。効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量を75mgまで増量することができる。

つまり、食事のたびに血糖値上昇を抑えるには1日150㎎必要ということ。

お茶や青汁のDNJに医薬品のセイブルとおなじ効果があったとしても、

  • 桑の葉茶は、1日3回毎食直前に25杯飲む(1日計75杯も必要)。
  • 桑の葉青汁は、1日3回毎食直前に23杯飲む(1日計69杯も必要)。

なるほどー・・・

いやぁ、医薬品ってすごいですね。

中国産をつかって安さに定評のある山本漢方製薬の桑の葉(お茶&青汁)ですら、毎月4万円は必要になりますよ。

治療薬(ジェネリック)のミグリトールなら毎月2,000円以下(薬価)なのに。ボグリボースなら毎月1,500円以下(薬価)。

桑の葉(お茶&青汁)、出る幕がないですね。

どこを切り取れば「桑の葉(お茶&青汁)で血糖値を抑えて糖尿病の対策に!」といえるのだろう・・・。

青汁効果を期待するなら

桑の葉を調べて気がついたのは、宣伝がひどいこと。

まるで血糖値をコントロールして糖尿病に効果があるような宣伝ばかり目にします。食品なら誠実に、栄養成分で戦いましょう。

お茶であれば、嗜好品として味わいで勝負。

粉末青汁は、あくまで栄養補助として利用するもの。

もし青汁に効果を期待したいなら、生搾りしかありません。

個人的には、ヘタに効果を打ち出して情報弱者に買わせるやり方ではなく、純粋に茶葉として、発酵度合いを変えたりしながら桑葉茶の味わいを楽しませてほしい。