青汁の原材料には、
- ケール
- 大麦若葉
- 明日葉
- 桑の葉
- 長命草(ボタンボウフウ)
といった、さまざまな植物素材がつかわれています。
それぞれに「〇〇に効く」といった宣伝がされていますが、青汁として飲んだ場合、本当に効果を期待できる原料はどの素材なのでしょうか。
青汁原料の安全性とともに、情報を整理しました。
はじめに
青汁原料の栄養や有効性について、
- 食品としての栄養価値
- 原料の安全性や有効性
を公的機関がまとめています。
企業が宣伝している情報ではなく、客観的な事実にもとづいて青汁原料を調べていくと、いかにイメージ優先で青汁が販売されているのか分かり驚きました。
青汁原料の栄養価
そもそも青汁は、栄養バランスの改善に役立つのでしょうか。
文部科学省がまとめている日本食品標準成分表を確認すると、
- ケール
- 明日葉
青汁原料では、この2種類の素材しか信頼のおける栄養データはありませんでした。
大麦若葉や桑の葉、長命草をはじめ、さまざまな青汁原料がありますが、客観的に栄養比較できる原料はケールと明日葉しかないようです。
そこで、青汁原料であるケールと明日葉の栄養価はどれくらい豊富なのか。
試しに、トマトやニンジンとともに栄養比較してみました。
栄養比較
脂溶性ビタミン
100gあたり | ケール | 明日葉 | トマト | ニンジン |
ビタミンA | 240μg | 440μg | 45μg | 720μg |
ビタミンD | 0μg | 0μg | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 2.4mg | 2.6mg | 0.9mg | 0.4mg |
ビタミンK | 210mg | 500mg | 4mg | 17mg |
水溶性ビタミン
100gあたり | ケール | 明日葉 | トマト | ニンジン |
ビタミンB1 | 0.06mg | 0.10mg | 0.05mg | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.15mg | 0.24mg | 0.02mg | 0.06mg |
ナイアシン | 1.3mg | 2.2mg | 0.8mg | 1.0mg |
ビタミンB6 | 0.16mg | 0.16mg | 0.08mg | 0.10mg |
ビタミンB12 | 0μg | 0μg | 0μg | 0μg |
葉酸 | 120μg | 100μg | 22μg | 21μg |
パントテン酸 | 0.31mg | 0.92mg | 0.17mg | 0.37mg |
ビタミンC | 81mg | 41mg | 15mg | 6mg |
ミネラル、食物繊維
100gあたり | ケール | 明日葉 | トマト | ニンジン |
カリウム | 420mg | 540mg | 210mg | 300mg |
カルシウム | 220mg | 65mg | 7mg | 28mg |
マグネシウム | 44mg | 26mg | 9mg | 10mg |
鉄 | 0.8mg | 1.0mg | 0.2mg | 0.2mg |
亜鉛 | 0.3mg | 0.6mg | 0.1mg | 0.2mg |
食物繊維 | 3.7g | 5.6g | 1.0g | 2.8g |
栄養比較の結果
客観データの重要性
実際に比較すると、ケールと明日葉がいかに栄養豊富なのか分かります。
逆にトマトとニンジンは、ビタミンAに限ってはニンジンの素晴らしさが分かりましたが、それ以外の栄養素ではケールや明日葉に見劣りします。
客観的なデータがいかに大切か、よく分かる結果となりました。
大麦若葉や桑の葉、長命草など。
客観的な栄養データがない原料でつくられた青汁の場合、販売する企業のイメージ宣伝を信じるしかなく、実際は栄養効率の悪い青汁になる可能性があります。
ケールか、明日葉か。
ケールと明日葉は、どちらも栄養豊富な植物です。
しかし、それぞれ栄養素には特徴がありました。たとえば両者を比較して2倍以上、成分値が多い栄養素を抜きだすと次のようになります。
100gあたり | ケール | 明日葉 |
ビタミンK | 210mg | 500mg |
パントテン酸 | 0.31mg | 0.92mg |
ビタミンC | 81mg | 41mg |
カルシウム | 220mg | 65mg |
亜鉛 | 0.3mg | 0.6mg |
国民健康・栄養調査(厚生労働省)で栄養摂取状況を確認すると、栄養障害リスクの高い成分が、ケールにはバランスよく含まれていることが分かります。
日本人の栄養摂取状況を確認すると、
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンC
- カルシウム
- 食物繊維
とくに上記5つの栄養素が不足しています。
上の比較でいえば、明日葉が得意とするビタミンKやパントテン酸、亜鉛といった成分は、不足が深刻な栄養素ではないため、ケールでも十分におぎなうことができます。
ケールも明日葉も、青汁には最適な栄養豊富な植物。
そのなかでもケールは、日本人に不足している栄養素を得意とする野菜でした。
青汁原料の安全性
客観的に、確実に栄養豊富な青汁原料は、
- ケール
- 明日葉
の2種類しかないことが分かりました。
それではケールと明日葉、青汁として口に入れるために安心安全な素材はどちらなのか。国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報で確認しました。
ケール
一般
食品として摂取する場合はおそらく安全である 。
妊婦・授乳婦
サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
小児
サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
明日葉
一般
サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
妊婦・授乳婦
サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらないため、使用は避ける
小児
サプリメントなど濃縮物として摂取する場合の安全性に関して信頼できる十分な情報が見当たらない。
安全性の確認結果
青汁は、継続して利用することを前提とした食品です。
ケールと明日葉の安全性を確認したところ、明日葉よりもケールが、より安全に安心して利用できるようです。
日本人が不足しやすい栄養素が豊富で、食品としての安全性も高いケールは、青汁原料として最適な素材だと考えています。
しかしながら青汁原料のなかで安全性の高いケールでも、粉末や冷凍に加工すると妊婦や授乳婦、子どもに対する安全性は信頼のおける充分な情報がないようです。
そのため、ちょらの青汁をお飲みいただく方には、
生葉タイプは、妊娠期や授乳期のお母さまにも、そして子どもたちにもおすすめですが、
粉末タイプは、妊娠期や授乳期でない大人の女性、そして男性におすすめしています。
安全性の補足
国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報で、青汁による具体的な被害事例も紹介されていたため、こちらで補足いたします。
被害事例
ケール
53歳の日本人男性日本が、アキウコンとケール青汁を約1ヶ月間摂取(摂取量不明)して、肝機能障害を発症したことがあるようです。
ケール青汁を飲む場合、ウコンとの組み合わせは避けた方がよさそうです。
明日葉
安全性に関する情報が少ないため、現時点で報告されている事例はないようです。
大麦若葉
事例1)
2型糖尿病の68歳の日本人女性が、大麦若葉を原料とする青汁を約2ヶ月間摂取(摂取量不明)して肝機能障害を発症、摂取中止と加療により改善したようです。
事例2)
54歳の日本人女性日本が、植物発酵エキスを2年間、大麦若葉青汁を6ヶ月間摂取(摂取量不明))して急性肝炎を発症、加療により改善したようです。
事例3)
54歳の日本人女性日本が健康増進のために大麦若葉青汁サプリメントを3ヶ月間摂取(摂取量不明)したところ、健康診断で肝機能異常(AST、ALT、ALP、γ-GTPの上昇)を指摘されたようです。
その後、手首の発赤、腫脹、熱感のため受診したところ、肝機能の悪化が認められ入院。当該製品の摂取中止後も咳(せき)が止まらず、倦怠感の持続、肝機能障害、好酸球増多の悪化がみられ肝炎と診断、加療により改善したようです。
流通量が多いため、大麦若葉青汁の被害事例も多いのかもしれません。
桑の葉
アレルギー性鼻炎、肺炎の既往歴がある25歳の日本人女性がダイエットのためにデオキシノジリマイシン(桑の葉に含まれていると言われている成分)とキトサンを含む健康食品を不定期に摂取していたところ、10日目頃から咳、16日目から呼吸困難、頭痛、痰、発熱を生じたため摂取を中止。
市販薬を服用するも改善せず、急性好酸球性肺炎と診断、加療により改善したようです。
桑の葉をつかった青汁で、しばしばDNJ(デオキシノジリマイシン)が糖尿病を改善するといった宣伝を目にしますが、DNJは医薬品成分です。
食品である桑の葉青汁には含まれていませんので注意したほうがよさそうです。
長命草(ボタンボウフウ)
安全性に関する情報が少ないため、現時点で報告されている事例はないようです。
青汁原料の食経験
効果を期待して、めずらしい原料に手をのばす方もいるかと思います。
しかし、青汁は継続利用が前提の食品のため、安心安全に利用するためには食経験も大切だと考えています。
大麦若葉は牧草として利用されてきた植物ですし、桑の葉は蚕(カイコ)やお茶としての利用が多く、人が好んで食べてきた原料ではありません。
それに比べて明日葉は伊豆七島、長命草は沖縄で野草としての食経験のある植物。また、ケールは世界中で栄養豊富な野菜として食べてきた植物です。
健康のために継続して飲むからこそ、こうした食経験も大切ではないでしょうか。
客観的な栄養情報、安全性から、私たちは青汁にケールを選びます。
生葉タイプと粉末タイプ。
日々の食生活にあわせて、ちょらの青汁をお役立てください。
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