最近では、スーパーで目にする機会も少しずつ増えてきたケール。
自然農法ケールの青汁を販売しているので、ケールについても質問をいただくことがあって。いい機会なので、
- ケールってどんな野菜なの?
- ケールが得意な栄養ってなに?
- ケールはどうやって食べるの?
など、ケールの栄養成分や食べ方(レシピ)などをまとめてみました。
野菜の王様「ケール」とは
ケールの歴史
およそ4500年前には地中海沿岸で誕生したといわれいるケール。
古代ギリシャの数学者ピタゴラスは、ケールの豊富な栄養価に驚いて「元気と落ち着いた気分をもたらす野菜」といったそうです。さむい冬、地面に置いておいても枯れないケールは古代ローマでも重宝されて、宴のときは先ずスープにして飲んだといわれています。
ケールが日本に渡ったのは江戸時代、オランダやポルトガルと貿易していたときに持ち込まれました(諸説あります)。
そして戦後、栄養失調に苦しむ人々を助けるために、遠藤仁郎(岡山県の医師)によってケールをすりつぶした汁「青汁」が生まれ、多くの人々を救ってきました。
ケールの特徴
ケールはアブラナ科の野菜のひとつで、その特徴は生命力の高さです。
現在、流通している野菜の多くがアブラナ科で、キャベツをはじめブロッコリー、白菜、小松菜、そして滋養強壮で有名になったマカもアブラナ科の野菜です。
こうしたアブラナ科の野菜の中でも特に古いルーツを持つのがケールで、これまでに世界中で品種改良されて、キャベツやブロッコリーなど定番野菜の生みの親になってきました。
また、スイーツの定番であるシュークリームの「シュー」はキャベツという意味ですが、もともとはケールを意味していたとも言われています。
ケールの栄養成分
古代では薬用としても用いられたケール。
野菜のなかでも栄養が濃く、とくにカルシウム、マグネシウム、β-カロテン、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB群、食物繊維など、多くの栄養成分がほかの野菜とくらべて豊富な植物です。
実際に、文部科学省が管理している栄養成分データを確認すると、
※ケール(生葉)100gあたり
カリウム:420㎎、カルシウム:220㎎、マグネシウム:44㎎、鉄:0.8㎎、亜鉛:0.3㎎、銅0.05㎎、マンガン:0.55㎎、β-カロテン:2,900μg、ビタミンE:2.4㎎、ビタミンK:210μg、ビタミンB1:0.06㎎、ビタミンB2:0.15㎎、ナイアシン:0.9㎎、ビタミンB6:0.16㎎、葉酸:120μg、パントテン酸:0.31㎎、ビオチン4.0μg、ビタミンC:81㎎、食物繊維:3.7g
こうした情報を確認できます。
客観的に栄養豊富なことも証明されているため、ケールは青汁という自然な味わいの栄養ドリンクとして認知されるようになりました。
ケール青汁の効果効能とは
そもそも青汁効果とは
青汁ほど有名な栄養ドリンクはありません。
しかし、その健康効果となると情報が乱れていて、真実とはかけ離れた青汁効果がひとり歩きしている状態です。たとえば、
桑の葉(お茶&青汁)効果で血糖値や糖尿病が!ってヒドイよね。
などのように、まるで医薬品のような宣伝がなされています。
俗にいわれるケール青汁の効果
ケール青汁についても同様で、その効果をしらべてみると
- ケール青汁には抗ガン作用がある!
- ケールに含まれるメラトニンが安眠にみちびく!
- ケール青汁で肌荒れが改善される!
といった情報がたくさん入ってくるのですが、どれも根拠が示されていません。
おそらくアフィリエイトサイトによる広告収入を目当てにした情報サイトであり、その取扱いには注意が必要だとおもわれます。
※ご参考(青汁効果まとめ)
ケール青汁本来の効果
ケール青汁の効果については、ファンケルの実験が参考になると思います。
ケール青汁を1日1杯以上、1年以上飲み続けている50~69歳の女性110名を対象にしたアンチエイジング試験によると、
- 筋肉年齢と神経年齢は若返る傾向に。
- 骨年齢とホルモン年齢は衰える傾向に。
結果要因の詳細にはさらなる研究が必要とはいえ、ケール青汁を摂取していた人々の低体重や食習慣による影響が大きかったとされています。
つまり、ケール青汁による、体感性を得られるような効果は不明ということ。
ただし、血液検査をおこなった結果をみると、血中中性脂肪をはじめ、糖代謝や脂質代謝において、より健康な状態へと改善されていました。
かいつまんでいえば、
- 体感性を得られるような効果は期待できない。
- 健康状態を維持するためには役立つ可能性あり。
と言えそうです。
ケールの食べ方(レシピ)
ケール料理の基本
健康維持に役立つケールは、青汁だけでなく、最近では野菜として販売されることも増えてきました。
はじめて見る方にとっては、緑が濃すぎて困惑される方も多いと思いますが、
- ケールは、ちょっとクセのあるキャベツ
- ざっくり2種類のケールがある
ことを知っておけば、ケール葉の食べ方(レシピ)で悩む必要はありません。
もともとケールはキャベツの原種なので、料理法はキャベツとおなじように考えて問題ありません。
また、葉の大きなケールと葉の小さなケールの2種類(ざっくり言うと)あって、
- 葉の大きなケールは青汁やスムージー向き
- 葉の小さなケールは料理向き
となっています。
葉の大きなケール
ケールで青汁やグリーンスムージーをつくるなら、水分量も多い葉の大きなケールがおすすめです。
夏場は爽快な苦みがあって、冬場はとても甘くフルーティーに仕上がりますよ。
もし葉の大きなケールを買うなら通販を利用しましょう。
こちらの会社さんのケール葉は個性的で、1年をとおして味わいも大きく変わるので青汁やスムージーづくりも楽しくなります。
葉の小さなケール
最近、スーパーで目にすることもあるのがカーリーケールという小ぶりのケール。
カーリーケールは葉先がくるくるカールしているケールで、一口サイズにきってサラダにすると美味しく食べられると紹介されています。
ただね、サラダにするには少しかたいカーリーケールもあります。
生食して「ちょっと固いかな。」と思ったら、ベーコンと一緒にオリーブオイルで軽く炒めて味付けするだけで十分おいしいです。
お肉やオリーブオイルとの相性がいいので、お肉料理に合えたりパスタの具材にすると、ケールの個性を活かしながらおいしくいただけます。
最近ではオイシックスでも気軽に購入できますよね。
一度、お味を試してみるのも良いかもしれませんね。
ケールの魅力はなんといっても個性的な味わいと豊富な栄養素。日常にケールがある生活で、人生を健康に過ごしましょう!