ベルトリーのパスタソースでつくる「ケールのトマトスパゲティ」

シャキ、シャキ、シャキ。

お腹を空かせた子どもたちの声を聞きながら、ケールを手早く細切りにしていく。

時計に目をやると午前11時だった。夜更かししたとはいえ朝寝坊にもほどがあるよね、とつぶやきながら細切りにしたケールをニンニクといっしょに炒めていく。

ケールの色があざやかに変わり、しんなりしたところでベルトリーのパスタソースと和える。ドラッグストアで300円ちょっとで売っているアメリカ製のパスタソース。

昔はお店の味に近づけるために、食材や調理法にこだわったりした。

けれど「美食とは、妻や子どもたち、仲間など気のあう人たちとの食事」だということに気づいて、料理する負担を減らすようになった。

美食とは、複雑性の高い料理のこと。

気の許せる空間でいただく食事は、それだけで60点の食事。そこに手早くつくった料理が加われば、大体80~100点の料理になる。

こだわって料理をつくれば確かに美味しい。

けれど、手早くつくって家族と会話する食事のほうが美味しい。この味を外食で求めるなら、客単価1万円は超えないと難しいよね。

あたためたソースに、ゆで上げたパスタを絡ませる。

そして、ゆでた鍋にもどして食卓にはこぶ。

トングをそえて、さぁどうぞ。

お腹を空かせた子どもたちが無心になって食べる風景は、どんなお店に行っても味わえない。たくさんある親の楽しみのひとつ。

むしゃ、むしゃ、むしゃ。

あいわからず、肉厚なケールがおいしいね。