ジュワー、パチパチパチ。
ちいさな生唐辛子が音を立てているところに、3個分の溶きたまごを流しいれた。
封筒をとめるシーリングスタンプのように、たまごが外側から盛り上がる姿は、いつ見ても気持ちがいい。幸せにするよね、たまごの色って。
「あー、いい匂い。唐辛子も入れたの?」
「そうそう、ちょっと刺激が欲しくてさ。」
「おいしそう。はやく食べたいね。」
料理をつくっている時の、妻との何気ない会話がとてもうれしい。好きな時間がゆっくりと流れていく。半熟になったところで、たまごを崩しながらケールを入れた。
少しずつ、少しずつ。
新鮮な緑色が、健康そうな緑色に変わっていった。
これもまた、幸せにする色。好きな色。
火を止めて、塩コショウを振りかける。
お皿に移したら、かつお節を盛り付けて、醤油をまわしかけて完成。
つかったケールは、4枚。
ごはんは、なし。
低糖質な食事だから、食べたあと眠たくならないし、なによりダイエットにも効果的だ。妻といっしょに食べたケールは、今日もおいしかった。
シャキッ。
「あっ、唐辛子だ。辛いっ。」
ちょっと刺激的な、おいしい青汁ごはん。