もしも、食卓にあふれる肉がすべて、代替肉に変わったら。

植物でつくられた肉をゆでた。

いわゆる大豆ミートとよばれる代替肉のひとつで、晩ごはんのナスとピーマンの味噌炒めに入れるため準備したものだった。

豚肉とちがって脂が含まれていないため、炒めるとき、いつもより植物油を多めにつかう必要があったり、濃いめの味付けにする必要があったりと注意は必要だが、それさえ守れば違和感なくいただける。

(醤油で薄味に仕上げたいときは、大豆ミートではなく油揚げで作るのが好き)

動物性脂肪がないため、少しだけ物足りなさは感じるが、ナッツを入れることで解消できるため、いつもクルミを入れることにしている。

クルミは消化吸収されたあと、青魚に含まれるDHAやEPAなど脳の栄養に変わるαリノレン酸が豊富なため、ベジタリアンには貴重なナッツだ。

しかもクルミは、1本の木から20~30㎏収穫できるためか、意外と安く買うことができる。

この日も食卓に出したところ、子どもたちも気がつかずに、おいしそうに食べていた。

「このクルミがあるのがいいよね!」とまで言うほどに。

なぜ豚肉ではなく、大豆ミートを使うのか。

動物福祉を考えてのこともあるが、それ以上に地球が心配だからだ。

地球上に野生動物は、一体どれほどいるのだろう。

NHKや動物番組でチーターやゾウ、サイやキリンなどの映像をみて、驚き、感動し、ときに笑ったりしてきたが、陸上にいる動物はどれくらい残されているのだろう。

陸上にいる哺乳類の50%くらいが野生?いやいや、人間の数が増えているから野生動物は30%くらいかな。そう思いながら調べたのだが、衝撃をうけた。

実はもう、陸上にいる野生の哺乳類はたった4%しかいない。

陸上にいる哺乳類の96%は、人間と家畜だ。

画像引用元:The Guardian

そのうち60%は家畜、人間が食べるための食料だ。

人間にとって暮らしやすい文明が発展したことは喜ばしいことだが、その裏側で陸上に住んでいた野生哺乳類の83%は死んで姿を消した。

陸上だけではない。

より安く、大量の魚を得るために、大きな網で海底を引きずりながら根こそぎ獲ってきた結果、サメやイルカ、クジラなど海の哺乳類も80%は死んで消えた。

このまま、地球上に住む哺乳類は家畜しかいなくなるのだろうか。

こうしている間にも、家畜のエサをつくるために森林が焼かれている。

しかしいま、世界中で代替肉をつくる企業が増えている。

大豆ミートのような植物でつくった肉だけでなく、再生医療のように、細胞培養して人工的に肉をつくろうとする企業もある。

海外では来年、細胞培養で人工的につくった鶏肉を販売する企業もあれば、乳腺上皮細胞を培養して人工ミルクの作製に成功した企業もある。

動物肉を求めて、陸からも海からも哺乳類が消えた世界が先か。

代替肉によって、人間の土地を野生動物へ返す世界が先か。

10年後、人類はどちらの道を歩んでいるのだろう。