苦手なカボチャ、ヴィーガンたまごサンドで好きになった。

もぐもぐ。

文字にすると音があるが、はじめてヴィーガンたまごサンドを作ったときの家族が食べる音は、無音に近かった。

家族に反応がないということは、つまりマズイということ。

なぜか感じる苦味は、すべてを台無しにしていた。

材料は、カボチャと木綿豆腐、そして豆乳マヨネーズ。苦味を感じる材料ではないのに、なにが原因なのだろうと噛みしめながら目をつむると思いだした。

犯人は、黒胡椒だ。

アクセントに、良かれと思っていれた黒胡椒だ。

しかも、より爽やかな香りを演出したくて加えた挽きたての黒胡椒。まちがいない、コイツが犯人だ。

いわゆる鶏卵をつかえば黒胡椒はアクセントになるが、どうもヴィーガンたまごサンドに黒胡椒はあわないらしい。

むー。黒豆や黒胡麻みたいに「おれは普通のやつとは違うぜ、なにせ黒だから」とお高くとまりやがって。

なにが黒だ、苦味の原因じゃないか。

それなら、白胡椒なら美味しくなるのか?

いやいや、白も黒も兄弟みたいなもんだ。おなじように苦味をまき散らす疑いがある、ここは慎重にいこう。

白も黒も、胡椒は胡椒だ。

まずは、カボチャを蒸して、木綿豆腐を水気がなくなるまで炒めてゆく。木べらで豆腐をちいさく砕きながら。

そしてカボチャの皮をとり、手作り豆乳マヨネーズと合えた。

カボチャ1/2個、木綿豆腐1丁に対して豆乳マヨネーズは100gとしっかり使った。なにせ卵換算で約10個分できるのだから。

そして自然塩で味を整え、仕上げに硫黄の香りがするブラックソルトを加えた。

たまごの香りが、あたりにただよう。

しっかりと和えてゆく。これで苦味のないヴィーガンたまごサンドになるはずだ。

ほら、ほらほら。

美味しそうな、たまごサンドになりそうだ。

ぱくり、二口ぱくり。

三口ぱくり、四口パクリ、五口パクリ。

うぅ、まぁぁぁ!

やっばいのが、できちゃった。

美味しすぎて味見がとまらない。なにせ卵換算で10個分もあるのだから、食べすぎたって減るもんじゃない。

しかも材料は、カボチャと木綿豆腐。

βカロテンと食物繊維、そしてタンパク質。食べすぎても罪悪感がないし、むしろ健康的。

これなら家族も、むしゃむしゃ食べてくれるはず。

もう少し味見をしないと、ね。