「広告代理店のみなさまへ」

心のうつろいが止まる夏、儚さを見失う夏、日本の夏。

青色のカンヴァスを染める雲。

鳥の鳴く声はなく、
虫の奏でる音もなく。
静寂に包まれた青色の空に、
ただ、雲はそびえ立つ。

灼熱のなかで息を殺し、
ひたすらに夜を待つ。
目を背けるほどの青色の空に、
ただ、雲がそびえ立つ。

車窓越しに見た空は涼しく、
思わずドアを開けた。
アスファルトに足をおろし、
ただ、雲とそびえ立つ。

傷口が膿むような熱さだ。

せめて写真だけでも、
空を見上げる夏にしたい。