「広告代理店のみなさまへ」

ダルゴナコーヒー。インスタントコーヒーとの、再会。

君を好きじゃなくなったんだ。

インスタント珈琲。

飲むだけでリラックスしてたのにね。
しあわせだったよ、過ごした時間。
いつもそばにいてくれて、
すぐに心を癒してくれた。

ストレスが溜まって、
イライラして。
メゾンカイザーのマグカップに、
3杯いれて飲んだときもあったよね。

あの時はグイッと飲んだな、
あまりの濃さに苦笑いしながらさ。
そうそう、
1日5杯飲んだときもあったよね。

しあわせだっな、楽しかったよ。

でも、たしか去年の2月だったかな。
君を好きじゃなくなったのは。

バリスタ監修の電気ケトルが来てさ、
ハンドドリップに心が移ったのは。

もう、香りが違っていてさ。
淹れ方で味も変わるんだもの、
楽しくてしょうがなくて。

そうそう、最近ね。
コーヒーミルを探してるんだ。

カリタ製の電動ミルにするか。
それとも、もっとこだわってさ、
富士珈機の電動ミルもいいなって。

生豆を使いこなしたくてね、
焙煎機も探してるんだよ。
ジェネカフェとか良さそうでさ。

本当にごめん。
ハンドドリップの虜になって。

いささかも君のせいじゃない。
僕の移り気のせいだ、ごめん。

君を好きじゃなくなったんだ。

もう会うことはない。
会うことはないと思っていたけど。
じつはさ、娘から。

娘がダルゴナコーヒーを作りたいって、
そう言いはじめてさ。

インスタント珈琲。

お久しぶりだね。
あの、元気だったかな。
こんなこと言える立場じゃない。
それは分かっているけれど。

おいしかったよ、とても。

娘がさ。
娘が、また飲みたいって。

インスタント珈琲。

わがまま言ってごめん。
また、会えるかな。

おいしかったよ、とても。

ありがとう。