「広告代理店のみなさまへ」

子どもたちの夏休み、待ちくたびれた真っ赤なスイカ。

今年、はじめてのスイカ。

ひとつ目はカラスにつつかれた。ふたつ目とみっつ目のスイカは、畑で泡を吹いていた。

カラスにつつかれたひとつ目は、おっきな面長のスイカ。カラスによる傷は表面にとどめていて、まさに食べごろな様子だった。実際に割ってみても、すき間ひとつなく美しかった。

けれど口にふくむと、キケンな酸味が舌を刺した。傷から雑菌でもはいったのだろうか。腐っているようには見えないのに、とても食べれたものではなかった。

ふたつ目とみっつ目は、どちらもおなじ時期にできた、小ぶりなスイカ。

ひとつ目のスイカがおおきくなったので「もっと育つやろ。」とニヤニヤしながら放っておいたら、完熟しすぎてブクブクと泡を吹いていた。

「スイカは暑い日に、キンキンに冷やして!」と考えながら湿気に耐えてきたのに。長梅雨で、楽しみにしていたスイカを三個もダメにした。

今年、はじめてのスイカ。

娘の選曲で、流行っているのかどうかも分からない曲を、朝から爆音で聞かされながら食べるスイカ。噛みしめるたびに、甘美なジュースがはじけ出る。

食べ終わった子どもたちの、一学期最後の登校を見送ると、クマゼミが暑苦しく鳴きはじめた。

ジュワジュワジュワワー。

すっかり梅雨は明けたようだ。

庭先に打ち水でもするか、梅干しも干さないとな。

ようやく今年も、夏休みがくる。