「広告代理店のみなさまへ」

トマトも好きになって欲しいから、苦手なワケを探るにも。

ジュルモジャの実がなった。

それは日に日にふくらむトマトの実。息子が「暑いなか、もぎって食べたい。」と心待ちにしているトマトの実。

息子だけじゃない。

私だって、妻だって。みんな「あっついね〜」と汗をながしながら、かぶりつける日を心待ちにしている。ただひとり、娘をのぞいて。

彼女は、酸っぱいものが苦手だった。

あまおう狩りにいったときも、かたくなに口を「ムッ」とむすんで入れなかった。

だけど、それから日がたって。

今ではイチゴ狩りにいくと「ぷーん」と甘酸っぱい匂いをただよわせる。とことこ歩けばハチが寄ってきそうな、明るくて、やさしい香りをふりまくようになった。

だけど、トマトだけは苦手なまんま。

スープにしたり、パスタにすれば食べられるというのに。どうしたものか、生トマトだけは苦手なまんま。

どうしてだろう。

聞けば、食感が苦手だという。

「生たまごの白身、ゼリーだっておなじ食感でしょう?」といえば、生たまごはコチョコチョ、ゼリーはシュルル。だけどトマトの「ジュルジュル」がイヤらしい。

聞けば、味も苦手だという。

イチゴやミカンは甘酸っぱくて好き。だけどトマトは「モジャモジャな味」がするからイヤらしい。

風味が苦手なのかと思って、娘に脇芽をとってもらったこともあるけれど。トマトの匂いは平気らしい。

ジュルジュル、モジャモジャ。

娘の口にひろがるジュルモジャの実。

目の前になっている、赤くならずに黒くなるブラックトマト。これも、ジュルモジャの実になるのかな。

スライスして、地元の塩をふって、オリーブオイルをかけていただく。そんな手軽な前菜を、はやく、気兼ねなく。食卓にだしたい。

ジュルモジャの実。

ジュルは分かるが、モジャが分からん。