「広告代理店のみなさまへ」

家族を愛してやまない夫の「にんじんステーキと鳥もつのソテー」

見てしまった。

「大沢家政婦紹介所からまいりました」
「あら…お留守かしら…」
「ごめんくださいまーせー!」

いやいや。
市原悦子ではなく、ひろゆき(ぼく)の話だ。

ひろゆきは見た!

こないだ引っ越したときのメモ書きを、筆跡から長男坊が書いたとおもわれるメモを。

捨てるもの:ひろゆき(ぼく)
持っていくもの:ハムスター

家庭にただよう空気から、ヒエラルキーは下だと思っていたが、まさか、ハムスターよりも下だったなんて。

下どころではない、捨てられるのだ。

ランキングにすら入っていないのだ。

しかし、今のわたしに、ショックに打ちひしがれている暇はない。このままでは捨てられてしまうのだから。

きっと、ハムスターのトイレ砂といっしょに捨てられてしまうんだわ。

このままではいけないわ。

どうしたものかしら。

そうだわ、わたしには料理があるもの。腕をふるって見返してやるんだから。

「ごめんくださいまーせー!」
「ごはんの準備ができましたー!」

今晩のおかずは”カリッとホクホクにんじんステーキと鳥もつのソテー”ですよ。

「お召し上がりくださいまーせー!」

どう、どう?

お口にあいましたか?

※ニンジンはジョーさんのレシピです。

あまくて美味しいニンジン、ぜひおためしを!