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N高等学校の評判が少ないのでメリットとデメリットを考えよう。

この日記を書いた人

Hiro Takayama
1980年生。東京農工大卒→上場企業→ベンチャー企業→家族経営ブログ通販。家族生活は田舎の方が便利だと分かり鹿児島に移住。豊かな自然とネットがあれば子育て以上に楽しいものはない。
写真:CNET Japanさんより引用

写真:CNET Japanさんより引用

 

N高校について特集していたテレビを偶然に見たのですが、ネット遠足なんて思い出にならないとかVR入学式に対する嘲笑があったりと、コメンテーターがみんな表層的な批判ばかりで参考にならなくて。

カドカワが創る新しいネットの高校「N高等学校」

実際のところどうなのだろうと思って調べてみてもN高校に対する評判が少なかったので、自分なりにN高校のメリットやデメリットをまとめてみました。

N高等学校のメリットとは

不登校児童の才能を開花させる

これはN高校のメリットというよりも社会的意義なのでしょうけれど、N高校によって不登校児童は才能を開花させることができますよね。

20160828-2

図:ハレナビさんより引用

 

日本はずっと小中高あわせて17万人前後の才能豊かな子どもたちに教育機会を与えずに殺しているけれど、N高校は彼ら彼女らの才能を引き出せる学校なので、これを応援しない理由はありません。

日本の教育を見ていると、

  • 同じ地区に生まれた子どもを集める(学校選択の自由がない)
  • みんな同じ教室で学ばせる
  • 制服や体操服を着せて見た目を同じにする

といった具合に、「子どもを同質化」させることで協調性を実現させていますが、今求められている人材は同じ協調性でも「異質な人々との協調性」を育んだ人です。

人種の違いやLGBTはもちろん、障害者や世代間しかり、自分とは異質な人々とどうやって協調していくかが大切なのに、それを身につけてこなかったから「最近の若者は」などと蔑んで対話を拒む大人が多いように思います。「N高校は不登校児童の受け皿でしょ!?」という思考停止な意見も、レッテル貼りして異物を排除しようとする義務教育の悪影響なのだろうな。

同質化を求める公教育に染まらず「不登校」という可能性に満ちた選択をした子たちが、N高校を通じて社会をどんな色に染めるのか楽しみでなりませんよね。

最高レベルの大学受験対策が無料

どこの地方にも「御三家」と呼ばれる難関高校があると思いますが、そこに子どもを通わせる親御さんの目的は「子どもに良い大学に進学してもらう」ことでしょう。

けれども受験サプリの事例をみても分かるとおり、すでに進学校に通わせることが大学受験の近道ではなくなっています。そんなに無理して高校に行かなくても受験サプリさえあれば難関大学に行けるようになりましたし。

受験勉強が激変?「受験サプリ」の破壊力

N高校では受験サプリと同じように大学受験対策コースとして、教え方に定評のあるトップレベルの教師陣の授業を受けることができますし、授業も何度も見返すことができるので、進学校に通うよりも理解を深めることができるでしょう。

N高等学校:大学受験対策授業について

大学受験対策という武器で差別化できなくなった進学校へ通うメリットって、何が残されているのでしょう?

課外授業で表現力を養える

N高校の魅力としてよく見聞きするのが「双方向性の授業」です。

でも、N高校の魅力はそれだけじゃない気がして。

良い悪いはさて置き、今は「話でプレゼンする力」よりも「ネットで表現する力」がないと稼ぐのが難しい時代になったのは明らかです。その証拠に、訪問販売で商品を買う人なんてほとんどいないでしょう?

N高校の強みって、どんな進学校よりもネット表現力を養うのに役立つことにありますよね。

さらにデザイナー、スタイリスト、ファッションプロデューサー、パティシエ、フードコーディネーター、バリスタ、ネイリスト、ヘアメイク、CGクリエイター、イラストレーターなど、専門学校(短大)で学べるような講義も受講できるなんて。

しかも全部、無料(もちろんN高校の学費は必要)です。

考えてみれば通学時間ってもったいないですよね。通学時間に往復1時間かかっているとすれば年間200時間以上あるわけです(年間授業日数は平均200日〜210日)。

N高校なら無駄に消費されていた通学時間を通常の勉強とは別に、興味・関心のある分野に使えて教養の幅を広げることができますね。一度しかない人生、事故や病気でいつ失われるか分かりませんので、時間は有効に使いたいものです。

職業体験で問題解決力を養える

たまに「グローバル教育」なんて声高に叫ぶ学校を見るけれど、ジョン・ハーディー氏(バリ島グリーンスクール創設者)が言うとおり、世界で起きている問題を教えることがグローバル教育ではなくて、地元の課題を解決させることが真のグローバル教育だと思います。

少子高齢化で過疎化していく地方の現実をみれば、日本ほど地域課題に取り組みながら問題解決力を養える国はありませんよね。N高校なら地方自治体と連携した職業体験を通じて問題解決力を高めることもできます。

世界へ羽ばたく扉も用意されている

N高校ではスタンフォード大学が20年以上前から行っている、世界中のトップレベルの教育機関から高校生を集める教育プログラムにも参加することができます。

スタンフォード大学 国際教育プログラム

本人の意欲や学力と経済的な余裕があれば、積極的に選考に挑戦すべきでしょう。

N高校を見ていると「学力向上のために進学校に通うのは時間がもったいない」と感じてしまいます。だって「学力」は先生に教えてもらうよりも、動画コンテンツの方が効果的ですから。

それは完全映像授業の東進ハイスクール(今でしょ!の林修先生が在籍している予備校)が結果を出しているのを見れば明らかでしょう。

N高校は「東進ハイスクール+α」な高等学校。通わない理由がないですよね。

N高等学校のデメリットとは

友達作りについて

おそらく親御さんの一番の心配は「N高校で友達作りができるか?」ということだと思います。きっとそれは開校する前からKADOKAWA(N高等学校の運営母体)も分かっていたはずで、しっかり対策をしているようですよ。

「N高」では実際にどんなことが学べるんですか? 現役学生と運営に聞いてみた

授業以外の部分で特徴的なのは、コミュニケーションツール「slack」を導入していること。

生徒は70〜80人規模のクラスに入り、そこでは担任がモデレーターをつとめながら生徒と交流する。1クラスの人数が多そうに見えるが、授業は他の先生が担当するためクラス担任は保護者や生徒とのコミュニケーション、メンタル面のフォロー、レポート提出のサポート、大学受験の進路指導といった部分のみを担当するため80人をカバーできるそう。

生徒同士の交流を促すために、同じ地域に住む生徒同士を一緒のクラスにしています。N高には日本全国に住む生徒がいるため、遠くに住んでいるとどうしてもリアルでは会いにくい。

実際に、もう生徒同士でオフ会をしているようなクラスもありますね。

やはりN高校にもリアルなコミュニケーションは存在してますよね。「N高校は学生同士のリアル生活でのコミュケーションがないから問題だ。」という意見を見ることがありますが、これって何を根拠に言っているのでしょうか?

既存の高校で行われるリアルコミュニケーションよりも、自分の意志を持って行われるN高校のリアルコミュニケーションの方が有意義なのは明らかでしょう。

少なくとも私は、既存の高校のように毎日毎週毎年ずっと教室に閉じこもって、ずっと同じ同級生と顔を合わせ続けることの何が楽しいのかよく分かりません。毎日会うよりも、最低限のコミュニケーションはネットでしながらたまに顔を合わせるほうが楽しいでしょう。実際に社会を見渡しても、そんな大人ばかりですよね。

それに既存の高校ですと、学校外におけるネット上のコミュニケーションが親として非常に不安になります。だけどN高校なら、ニコニコ動画で培われた炎上対策ノウハウが詰まっているので、既存の高校に通うよりも安心できます。

N高にはネットコミュニティ開発部があります。

生徒同士のコミュニケーションを促進するために発足し、万が一生徒同士のトラブルがあった場合には、この部が解決をしています。もともとニコニコ動画でCSとしてネット炎上対策を行っていた人たちが集っていて、炎上をどう沈めるかを熟知している。

「スルースキルを身につけるべき」といったことは教育業界にいた人にはわからないので、非常に助けられています。

きっとN高校は「ネットを活用して生活(リアル)を豊かにしたい。」と考えている家庭には最適の高校だと思います。逆に「ネットは嫌いだし、死ぬまでネットは使わない。」という考えの家庭は既存の高校生活があっているのでしょうね。

N高等学校まとめ

N高校のメリットやデメリットを並べてきましたが、少なくとも

  • トップレベルの進学校を凌駕する学習環境がある。
  • 基礎教養として、生きたプログラミング言語を習得できる。

この2つだけでも通学する価値はあるのでしょうね。

学力を向上させるにはリアルの教師よりも動画コンテンツの方が親和性が高いので、地元の御三家などに通うくらいならN高校に行ったほうが学力向上できるでしょう。プログラミング言語も学校の先生が教えるよりも、最前線で活躍しているトッププログラマーが教えたほうが効果的なのは目に見ているので、N高校ほどプログラミングをマスターするのに理想的な環境はないでしょう。

高い学力とプログラミング言語を教養としてマスターできるだけでも、しばらく不安定な社会を生き抜くために十分でしょうから、我が家の子どもたち(8才双子と4歳児)も大きくなったら全員N高校に行ってもらおう。

子どもたちがN高校に通うことで生まれる余暇時間をどんなことに自己投資するのか楽しみです。身につけたプログラミング言語で地元の商店や企業を助けたり(働いたり)、料理やメイクなど関心ある技術を磨いたり、運動が得意ならスポーツジムでバイトしながら体を鍛えたり。

意思を感じられず、お葬式のようなリクルートスーツを来て就職活動をする大学生を見ていると(自分自身もそうであったし)、早くから意志を育むきっかけをつくれるN高校の存在はありがたいですね。

この日記を書いた人

Hiro Takayama
Hiro Takayama
1980年生。東京農工大卒→上場企業→ベンチャー企業→家族経営ブログ通販。家族生活は田舎の方が便利だと分かり鹿児島に移住。豊かな自然とネットがあれば子育て以上に楽しいものはない。
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